30代前半、子どもが小さく、学校行事も多かった頃。私は、当時流行っていたカーキのモッズコートをよく着ていました。
周りのお母さんたちも着ていたし、便利で無難な服だと思っていました。チェックシャツにジーンズ、ときにはクラッシュジーンズを合わせることも。
けれど、夫や友人から「どうしたの?」「キャラじゃないでしょ?」「体調悪い?」と言われることがありました。自分でも、なぜかしっくりこない。
流行っていて、周りも着ていて、便利でもある。それなのに自分が着ると違和感がある。
「無難」のつもりで選んだ服が、私にとっては無難ではなかったのです。
その「なんとなく」が、後に服を選ぶ基準を考えるきっかけになりました。
診断を受ける前から、「なんとなく」は感じていた
リップは、以前から自然とピンク系を選んでいました。理由を説明できたわけではなく、そのほうが自分にはしっくりきたからです。
あるとき、人気だったオレンジ寄りのピンクを試しました。周りでは「可愛い」と評判なのに、自分が塗ると妙な違和感がありました。
「みんなには似合っているのに、なぜ私にはしっくりこないんだろう」
その後、パーソナルカラー診断を受けて、あの違和感には理由があったのか、と腑に落ちました。診断で初めて自分を知ったというより、前から感じていたことに、整理するための言葉がついた感覚でした。
色と骨格、そして顔の印象を知った
30代前半にパーソナルカラーと骨格診断を、30代後半に顔タイプ診断を受けました。
私の中では、三つを次のように使い分けています。
- パーソナルカラーは、顔まわりの色
- 骨格診断は、シルエットや素材、バランス
- 顔タイプ診断は、服全体のテイスト
当時着ていたカーキのモッズコートやカジュアルなジーンズスタイルは、私が診断で示された方向とはかなり離れていました。以前から自分で感じていた違和感と、診断で示された傾向が重なったのです。
もちろん、それらの服を着てはいけないという意味ではありません。私には、選ぶときの手がかりが一つ増えました。
「何を買うか」より、「何を買わないか」
診断を受けて一番変わったのは、買うものを決めてもらうようになったことではありません。買わないものを判断しやすくなったことです。
以前は、流行っている、人気がある、周りも着ている、無難そう。そんな理由から服を見ることもありました。
今は、素敵だと思っても、自分には使いにくそうなら見送れます。好きな色でも顔まわりで違和感がありそうなら、顔から離れたところで使うことを考えます。流行っていても、手持ちの服と合わせにくければ買いません。
診断結果は、私にとって「買う理由」よりも、買う前に一度立ち止まるためのフィルターになりました。
生活に必要な服は、自分に寄せて選ぶ
診断後は、ワンピースやスカートを中心に着るようになりました。ただ、カジュアルな服をすべてなくしたわけではありません。
たとえばマウンテンパーカーは、以前のカーキではなく、自分が使いやすいピンクベージュを選びました。
生活に必要な役割は残しながら、色や形を自分に寄せる。私は診断結果を、そうやって暮らしの中で使っています。
買い物で見るものが少なくなった
自分には違和感のある、真逆のテイストに挑戦することをやめてから、失敗購入が減りました。
単品では素敵でも結局着ない服。好きで買ったのに、手持ちに馴染まない服。着るたびに違和感がある服。
そうしたものが減り、クローゼットも小さくなりました。
最近は、買い物に行くときも、見るショップをある程度決めています。すべてのお店を見て回る必要がなくなり、服を選ぶ時間も短くなりました。
私の場合は、買う前の判断基準ができたことで、服に使うお金、持つ量、選ぶ時間が少しずつ減っていきました。
診断は、自分を縛るルールにはしない
パーソナルカラーも、骨格診断も、顔タイプ診断も、絶対的な正解だとは考えていません。私はこれらを、科学的な正解としてではなく、自分の傾向を整理するための一つの見方として使っています。
診断する人によって結果が違うこともありますし、分類だけで自分の好みや暮らしのすべてを説明できるわけでもありません。
何より、着たい服を着ることは大切です。私も診断結果だけで服を選んでいるわけではありません。
好きなら着る。迷ったときだけ、自分の傾向に戻って考える。そのくらいの距離感が、私にはちょうどよかったのだと思います。
買い物のたびに、ゼロから考えない
今、服を選ぶときは、顔まわりの色、シルエット、服全体のテイストを見ます。それから手持ちの服と合わせられるかを考えます。
そこまで見て、なお着たいと思ったら、選ぶのは自分です。
診断は候補を絞る助けにはなります。でも、最後に決めるのは診断結果ではありません。
自分の違和感を、判断の手がかりにする
三つの診断は、私に正解を教えてくれるものではありませんでした。
ただ、以前から感じていた「なんとなく似合わない」を、少し具体的に考えるための材料にはなりました。
- 「流行っているから」
- 「周りも着ているから」
- 「無難そうだから」
以前はそんな基準も混ざっていた服選びに、自分なりの軸ができました。
好きなものは着る。迷ったときだけ、自分の傾向に戻る。
そうすると、買い物のたびにゼロから考えなくてよくなりました。服やコスメに使うお金、持つ服の量、選ぶ時間も少しずつ減りました。
自分を知ることは、選択肢を狭めることではなく、余計な迷いを減らすことなのかもしれません。
